Menu Close

悲しいニュース

ついにトロントも緊急事態宣言が7月24日に終了し、ビジネスも31日からステージ3に入ってレストラン内での飲食がやっと許可されました。
まだ完全に元の生活には戻れないものの、ようやく羽を広げられるという感じです。

そんな中、先日とてもショックな知らせを聞きました。
奄美大島の島唄の巨匠、坪山豊さんが亡くなったという情報を知りました。
もう2週間程前になりますが、7月20日。

私はカナダのBC州に住んでいた2008年頃から奄美民謡にとても惹かれ、2010年に帰国した際、島唄に触れたい一心で三味線を持って奄美に行った事があります。
そして、愛読していた「奄美民謡島唄集」の著者、片倉輝男さんに坪山さんの紹介を受け、連絡を取らせて頂いたのでした。

当時カナダのネルソンで日本の音楽を紹介するラジオ番組を持っていた自分は、勢いで坪山さんにインタビューとレッスンをお願いし、数回に渡って自宅へ伺わせて頂きました。
お会いしたこともない大御所の元に押しかけるって、無知というかなんと言うか突っ走ってたなあ。。

突然の訪問とお願いにも関わらず、快く「もちろん。お互いの都合のつく日に、いくらでもいらしてください」と招いてくださった。
伺う度にいつもお茶とお茶菓子を出してくれて、奥様も笑顔で迎えてくださって、本当に本当に温かかった。

奄美民謡の第一人者としてだけではなく、唯一の舟大工としてかなり名を知られていた方。
すごい方なのに本当に朗らかで楽しくて、話し出したら盛り上がって止まらなかった。好奇心旺盛で熱意があって、なんというか、こんなおじいちゃん見たことないと思った。

粋で音楽を心から愛してて、ものすごく頭が良くて、子供みたいにわくわくしてて、とにかく話していて面白い。語り口もしっかりしてる。あのパワーと若さはなんだろうと。

通わせていただいている間、島唄だけじゃなくてその歴史や文化もたくさん教えてもらった。
ご自身の経歴やエピソードなど、いろんなお話もしてくれた。

突然現れた、どこの誰かもよくわからない私をなんて温かく迎えてくださったんだろう。

その後私は練習をしばらく続けていたのだけれど、徐々に奄美民謡は聴く方だけに傾いてしまっていた。
そして、数年は年賀状など送っていたのだけれど、特にカナダに来てからは全く連絡を取らずにいた。

このパンデミックが始まってしばらくしてから、4月の終わりか5月くらいかな、急にふと坪山さんのことを思い出して手紙を書こう、書かなきゃ、と。
でもコロナの影響でカナダと日本の間の郵便状況が微妙だったので、落ち着いたら送ろうと思い、そのままだった。
今から思うと、きっとあれはサインだったのかもと。

そして知ったこの知らせ。
こんなに悲しくなるのかと驚くほど悲しかったです。
数日はかなりボーッとしていました。

せっかく奄美民謡を熱心に伝えてくださったのに、私は何を貢献できたと言うんだろう。
あの時のご恩を返せずじまいで、それが本当に悔やまれてなりません。

先に書いたように、カナダで担当していたラジオ番組へのインタビューをさせて頂いていました。
その時放送された貴重な音源を、YouTubeにあげました。

Japanese Musiquest(2010年11月2日放送分)

坪山さんの紹介とインタビューは7:38からです。番組自体は英語だけど、インタビューはもちろん日本語です。
ご自身が島唄を始めることになったきっかけや、奄美民謡の特徴などをお話しされています。
よければ是非聞いてみてください。

日本の伝統文化を伝承し、数多くの人たちに本当に慕われた方。偉業をなされた方。
私が非常に運良く関わる事が出来たのは2週間ちょっとだったけれど、大変良くして頂き、お世話になりました。
今もあの時の朗らかな口調と笑顔をはっきり覚えています。

坪山さん、本当に本当にありがとうございました。

Posted in 思うこと - Thoughts, 日常 - Life, 音楽 - Music

Related Posts

Comment